1940年代の生物学者たちの課題は遺伝子の正体と機能の理解だった。

最初の知見

・1944年にニューヨークで分子生物学者オズワルド・アベリーが率いる少人数グループが実験を行い、遺伝子を作っている物質を特定した。

肺炎を引き起こす細菌の研究の結果、害の無い細菌の種類も、毒性の強い菌株の死んだ細胞の残存物と混ざると、毒性のある形態に変わる可能性があるとわかった。

・特に重要なのは、その毒性が遺伝すること。細菌は一度毒性を持つと、それをすべての子孫へ伝える。

 

遺伝子の正体

・変質の鍵となる特性を備えていたのはデオキシリボ核酸であることが判明した。

・そのころには、細胞の中で遺伝子を運ぶ染色体にDNAが含まれていることは広く知られていたが、大方の生物学者は遺伝の原因はDNAではないと考えていた。

・しかし、アベリーらの研究結果から、「遺伝子はDNAで出来ている」ということが発見された。

・遺伝子の正体が理解され、浸透することで、遺伝子は物理と化学の法則に従う安定した原子の集まり、化学物質として理解された。