編むと織るを比べると、
 

ある地方自治体の職員の方が「市民の思いを丁寧に学んで、政策に編み上げたいと思います」と、インターネットの活用の議論をしていた時におっしゃいました。インターネットが普及し、自治体でも活用され、Webの再編集が起こり、住民の声がネット上に載り始めた2000年頃のことです。
 

一糸乱れず組織を運営する。というイメージと、自治体の政策を編み上げるというのはちょっと違う捉え方なんだなあと感じました。

織るというと機械の機の文字にもなっている機織りの機の文字を思い浮かびます。大掛かりな機械に縦糸をかけて、その間に杼を飛ばして織りなす作業。大掛かりだけどシンプルなシャトルの行き来を思い浮かべることになります。織るという文字は組織の織という文字にも使われます。役場や会社は組織を運営するということなんですが、地方自治体の政策を編むとはどんなイメージでしょう。

織る時は、縦糸と横糸が正確に役割を全うします。編む時は、一本の糸が、その糸自身を潜りながら、平らだったり、筒だったり、様々な形に編み上げられます。指でも、棒針でも、鉤針でも、道具がなくても、簡単な道具でも編むことができます。一本の糸によって形づくり、伸び縮みもして、衣服にしたときの身体への馴染みもいいものです。住民の思いを紡いで一本の糸にして、その糸が何か有益な編み物として形を作るということなのでしょうか。

 

Edit your City

LocalWikiのコンセプトであるこの言葉、素材を集めて編み上げる「編集」と街が結びついていますので、そこに住む人々の思いが、一本の糸に紡がれ、そして、編み上げられるための場所になるようなイメージかもしれません。一枚のページで発信される思いが、たくさんのページの集まりになり、一本の糸になり、さらに編み上げられることになると「街を編集する」ということになるのでしょうか。