大乗寺大乗寺(だいじょうじ)、今正山は、栄町2丁目にある日蓮宗寺院。本尊は三宝の諸尊。慶長2年(1597)5月の創建で(4)、開山は日養(慶長17年・1612没)。江戸時代には身延・久遠寺の末寺だった。(1)

※滝行で知られる千代大乗院とは別の寺院。

什宝

寺宝に曼荼羅3幅があった(1)

  1. 日蓮筆。紙の中に「文永七年(1270)正月廿八日、本間六郎母授与」と記してあり、「故ありて阿藩高田久右衛門信允伝来し、宝暦(2)十年(1760)九月廿一日寄納」と箱の裏に記してあった。
  2. 日乾筆。日乾は身延山21世。曼荼羅は日乾が大乗寺の開山・日養に授与したものといわれていた。奥書に「相州小田原今正山大乗寺開闢日養、以七十三歳連日説法、百座成就の刻、授与之、慶長十五年庚戌(1610)三月廿一日」とあった。
  3. 日養筆。紙の中に「慶長十四年(1609)正月廿日、中村善次郎吉家授与之」とあり、「貞享二年乙丑(1685)夷則(陰暦7月)廿三日、江戸湯島一町目中村三郎兵衛安次寄附(2)」である由が、箱の書付に記してあった。

境内

第六天社

本地釈迦如来。木造の立像で像高は5寸(約15cm)、伝教の作とされていた。(1)

祭礼は6月8日と毎月15日で、神事があり、竹花町(栄町)の産神とされていた(1)

末社・六浦明神

疱瘡(天然痘)の守護神とされていた(1)

寺紋

寺紋は日蓮宗橘(2019年調査)

リンク

参考資料

  1. 風土記稿
  2. 『風土記稿』国立公文書館内閣文庫本 請求番号173-0190 第12冊 コマ92
  3. 『日蓮宗寺院名簿』日宗新報社、1914年、p.27
  4. 西村慈珖(編)『日蓮宗大観』日蓮宗大観刊行会、1918・大正7、p.161