小田原囃子(おだわらばやし)は、多古(扇町)の白山神社祭礼のとき演奏される祭囃子(1)

囃子(はやし)は、祭礼や民俗芸能に限らず、歌舞伎長唄などの各種芸能で、拍子を取ったり、情緒を添えたりするための伴奏音楽のこと(1)

市内各地の保存会や、足柄上郡足柄下郡淘綾郡の各市町村や熱海市で、小田原囃子か同系統の祭囃子が伝承されている(2)

形態

演奏は、笛(篠笛)1人、大太鼓1、締太鼓(しめだいこ、小太鼓)2、鉦(しょう)1の計5人で行う5人囃子(ごにんばやし)が基本だが(1)(2)、2022年現在は、締太鼓を4人で(計7人で)演奏するところが多い(1)

曲目

神奈川県2022によると、

  • 葛西・神田囃子系では、屋台、昇殿、鎌倉-四丁目-屋台
  • 目黒囃子系では、破矢-宮鎌倉-国堅-師調目-破矢

のように、急緩、動静を取り混ぜた組曲形式を基本曲としている(1)

さんわ会2000によると、曲目は聖典(しょうでん)、屋台、神田丸、鎌倉、仕丁目(しちょうめ)の5曲(2)

保存

長老組、中老組、少年組の3組を以て保存されている(1)

1976年(昭和51)10月19日に、神奈川県の無形民俗文化財に指定された(1)

  • さんわ会2000は、1969年(昭和44)5月20日に指定された、としている(2)

2000年当時、小田原市内には、年間を通して活動し、小田原市関係の祭事などに参加している小田原囃子の保存会が15団体あり、その他に、近年発足した会や地元の祭礼で活動している団体を含めると40団体以上が存在していた(2)

また足柄上郡足柄下郡淘綾郡の各市町村や熱海市には、小田原囃子か同系統の祭囃子を伝承したとみられる祭囃子が保存されていた(ただし松田町には現存しなかった)(2)

リンク

参考資料

  1. 神奈川県2022:神奈川県教育局生涯学習部文化遺産課「県西地域の国指定・県指定無形民俗文化財>小田原囃子」神奈川県ウェブサイト、2022年6月23日更新
  2. さんわ会2000:さんわ会25周年記念誌編集委員会『下府中地域 我が町の今と昔』さんわ会、2000、73-75頁

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