広済寺 入り口広済寺(こうさいじ)、万年山は、中村原にある曹洞宗の寺院。本尊は釈迦三尊(釈迦如来・文殊菩薩・普賢菩薩)(1)(2)。天正13年(1585)9月の創建で、開山は東巌祥寅(慶長3年・1598没)(1)。江戸時代には秦野市北矢名の自興院の末寺で、中村原の山王社・地蔵堂を管理していた(1)。
沿革
設置時期不明の広済寺前の小田原市の案内板によると、同寺はもと上町にあり、江戸初期に大山道が開けてから現在地に移転した。上町にあった頃、北条早雲(伊勢新九郎長氏)に貢献したので、早雲没後、同寺に早雲の位牌が納められた。同地の鐘薮の地名は、或る暴風雨のとき、広済寺の鐘が沈んだことに由来するとの民話がある、という。
寛政8年(1796)に大火で全焼し、以来仮建築のままだったが、1967年(昭和42)に本堂を鉄筋(RC造)、庫裡を木造で新築した(2)。
境内
広済寺 本堂1970年当時、境内は382坪(約35.5m四方)、建物は本堂37坪(約11.1m四方)、庫裡32坪(約10.3m四方)、山門(2)。
鐘楼
境内の鐘楼の鐘は貞享2年(1685)の鋳造(1)。
白山神社
境内に白山神社があった(1)。
寺紋
寺紋は両山紋。(2019年調査)
リンク
- 小田原市文化部文化財課「天然記念物 ・廣済寺のカキ」最終更新日 2021年7月20日
- 小田原の端々「小田原市中村原 広済寺のカキ」2018年10月15日
参考資料
- 『風土記稿』
- 全日本仏教会寺院名鑑刊行会『〈改定版〉全国寺院名鑑 北海道/東北・関東編』同左、1970年3月(初版1969年3月)、p.434