「普段していないことは災害時も出来ない」
田辺高校の授業や課外活動のなかで、高校生がどんな形でこの土地の皆さんの役に立って自己肯定感や田辺への愛着をもってもらえるのかを和田教諭とともに考えてみた。
田辺市の提案するハザードマップに学び、普及する。→被災後、避難所の運営をする。→正しい援助をを受け、風評被害とたたかい、産業、暮らしを再生、発展させる。
上記の流れを大切にする。
避難所運営訓練、シュミレーションを学校祭で出来ないか
田辺高校の校舎は標高17mを超える高台にある。万が一、地震が起きたとき、ハザードマップの事例では、周辺の標高5m台のところで25分後に津波が到達する。地震が発生したら近隣の人々に急いで田辺高校に来てもらわなくてなならないし、教員と生徒が一丸となって皆さんのお手伝い、お受け入れをしたい。田辺高校の学校祭は年に一度、楽しい模擬店や研究発表などを近隣の人たちも楽しんで集まってくれるので、ここで避難所運営の経験を、運営する高校側と近隣の自治会や外来者にも体験して貰いたい。
三日間の炊き出しを想定して
保存食などを「一年使わないですんで良かったね、もったいないから全部美味しく食べちゃいましょう」と保存食を活用した美味しいメニューを考えたり、東日本震災で子どもが便秘になったりした経験を考えて繊維質の添加など、保存食活用を家庭科の授業にとりいれたり。備蓄している社会福祉協議会や市役所などと相談してみたり。学校での宿泊体験を体育館や教室を使って、楽しくやってみるなど、想定されるオペーレーションをお祭りに組み込んでみたい。
伝統の中に防災のヒントはないか
田辺市内に点在する神社で行われるお祭り。神社の標高、裏山の標高やお祭りの歴史を地図に示す作業を普段からやっておく。お祭りの中に災害の伝説や防災の見地がないか研究してみる。
御神輿はみんなで瓦礫を避けて人を助けたり、倒れた家を再建するために柱を担いだものかも?
お祭りの炊き出しの経験は災害のときに役に立つ?高台にあったり裏山があったりするのはなぜ?
どうして、地元の人が一生懸命相談しながら全員で動くの?
お年寄りから若い人に伝えていることはなに?
様々な角度から学んでみる。
正しい救援を呼び、風評被害をくい止める
オープンストリートマップに標高タグを入れたり、ローカルウィキの各施設に標高を入れたり、正確な地図や記事を自分たちで作り続けることで、田辺のこと、 街の形、道のこと、高さのことをよく知っておく。災害が起きたとき、まず、自分の命、そして、家族や近所の方々の命を守ったら、直ぐに大事な情報を発信したい。
伊豆大島では先の台風のときにまず、ローカルウィキエディタだった都立大島港港の生徒たちが、自分は大丈夫。土砂は三原山の外輪山から崩れている。元町に流れ込んだけ ど、一部。5人の高校生記者は一人の家は被災したけど全員無事。と街の外に居る人を安心させた。
伊豆大島で編集活動をしていたローカルウィキエディタや マッピングパーティに参加した全国のOSMマッパーたちは、土砂が崩れたその日のうちに国土地理院の情報を頼りに土砂災害の規模、位置を正確に地図に記入 した。その為に、甚大な被害が報道される一方で、大きな土砂崩れであっても被災したのは限定的な場所で、島の殆どが大丈夫で、港にも問題がないことが直ぐ に全国に知れ渡ることになる。これが、取引の中止等の早まった取引企業の動きを止め、風評被害を消している。
高校生たちが日常的に、地図を描き、記事で発信することを行っていれば、いざというときに、正確な被災状況を伝え、正しい救援を受けることや風評被害を消すたたかいを行う、たのもしい街の主役となる。
マッピングパーティを開こうから
冷静な取引先企業は当日からローカルウィキのページを観 ていました。未明にはOSMに国土地理院のデータをもとにした正確な被災状況が記されます。これが、別の取引先を探さなくてもよいという判断を産み、産業 的な二次被害を受けないですむという「クライシスマッピングが風評被害をなくす」可能性があると、多くのマッパーから「やっていてよかったあ」と喜びの声 があがる事例となりました。伊豆大島の地図を、OSMとGoogleで比較してみましょう。
http://tools.geofabrik.de/mc/?#13/34.7480/139.3573&num=2&mt0=mapnik&mt1=google-map
マッピングパーティを行う前は、Googleよりも地図が出来ていない状態で、道路も書かれていなかったりでした。高校生たちが、記事に地図を利用出来る状態ではありませんでした。マッピングパーティのあとはまったく別の地図。そして、土砂災害の色分けが、島全体が壊滅した訳じゃないことを示し、企業を救い、観光協会を奮い立たせた状況がいまでも分かります。
室蘭市の事例
OpenStreetMapに標高を【参照:地理院地図(電子国土web)】
参考資料