木造 地蔵菩薩立像(もくぞう じぞうぼさつりつぞう)は、国府津宝金剛寺にある、高さ49.3cmの一木造りの地蔵菩薩像で、同寺の本尊。右手に錫杖、左手に宝珠を持って立つ通常の形であるが、後世の地蔵菩薩立像のように、白毫と髪際を表現していない点から、それよりも古い時期の様式とみられている(ただし、光背と台座は江戸時代の補作)。(2)

  • 『風土記稿』には、聖徳太子の作とされており、高さは1尺6寸(約48.5cm)とある(4)


台座に記された銘札に、平重盛(1138-1179)が1国に1体建立した像のうちの1つと書かれている。(2)

市の公式サイトは、様式は平安時代(794-1185)初期で、制作時期を藤原時代(894年~約300年)の初期と推定しているが、台座の銘札を信じれば12世紀後半の作品。(2)

寺伝では平重盛が建礼門院徳子の安産を祈願する際、本像の御腹へ帯を結んだことから『帯解(おびとけ)地蔵』と呼ばれ、安産を祈願する風習があったとされている(2)(4)。また寺伝に、平重盛は治承2年(1178)に11貫200文の寺産を寄附したという(4)

1959年(昭和34)に県の有形文化財に指定された。(2)(3)

参考資料

  1. 國府津山 寶金剛寺 本尊・寺宝 本尊
  2. 小田原市文化部文化財課「彫刻・木造 地蔵菩薩立像」小田原市公式サイト、最終更新日 2017年11月14日
  3. 神奈川県教育委員会教育局生涯学習部文化遺産課『神奈川県 文化財目録 令和3年5月1日現在』2021年5月、p.28
  4. 風土記稿