草柳竹次郎 - 小田原

草柳竹次郎（くさやなぎたけじろう、1881年 - 1964年）

経歴

1881年（明治14年）10月4日、矢作の生まれ^(1)(10)。

1899年（明治32）8月、星崎定五郎、神谷増太郎（或いは Nitta という姓の人物⁽⁷⁾）らと共に渡米⁽¹⁾。はじめの3年ほどは、バカビル（Vacaville）地方で、春～秋は果樹園で働き、冬は白人の家庭で働きながら英語を学んだ⁽¹⁾。

その後、南カリフォルニアへ移住し、しばらくコックとして働いた後、パサデナ（Pasadena）に雑貨類と呉服を扱う店を開き、10年ほど営業を続けた⁽¹⁾。銭湯や理髪店を経営していたともいう⁽⁷⁾。

1916年（大正5）、5.5万ドルを投じてロサンゼルス市北メン街（North Main St.）に土地と家屋を購入し、営業拠点を移した⁽¹⁾。この頃、お店の営業資金を借りに行ったときに銀行の頭取と親しくなり、株式投資に興味を持つようになったという⁽⁷⁾。

その後、物価が高騰して、同地の土地・家屋はイタリア銀行に17.5万ドルで買収され、草柳は市内ノーマンディー街（Normandie Ave.）に2ロットの土地を購入して貸家を建て、サンビードロ（San Pedro）にも土地と家屋を購入、自身は市内ミツチエルトレナ街（Micheltorena St.）752番地に邸宅を建てて暮らした。⁽¹⁾

City of Los Angels 2018によると、1930年代末（1939）、ノルマンディー通り3551-3563S番地に、草柳が所有し、複数の日系の小売商店が入居していた、アール・デコ調の商業ビルがあった⁽³⁾。

1941年12月7日（太平洋戦争開戦）まで、ロサンゼルス市庁舎の向かいのメイン街（Main St.）で「国産貿易会社（National Trading Company）」の乾物店を経営していた⁽²⁾。

同日、草柳はFBIに逮捕され、サンペドロ連邦刑務所に連行され、後にモンタナ州ミズーラ砦（Missoula, Montana）へ移された⁽⁸⁾。草柳の家族はそのままロサンゼルスで暮らしていたが、1942年4月にマンザナール（Manzanar）収容所に抑留された⁽⁸⁾。家族番号は1033だった⁽⁹⁾。草柳は、同年6月に解放された後、マンザナールに合流した⁽⁸⁾。禁制が解除された後に、ロサンゼルスに戻った⁽²⁾。

戦後は、経営を退き、ブロンズビル（Bronzeville、以前のリトル・トーキョー）にある建物数棟を含む資産の管理をしていた⁽²⁾。邸宅の広さは0.5エーカーあり、日本庭園があった⁽²⁾。

1954年に草柳夫妻はロサンゼルスの西27番街3741番地に所有していた豪華なマンションを合同メソジスト教会（United Methodist Church）に寄附し、1955年に16人が入居する老人ホームと「草柳ホール」が開設された⁽⁵⁾。その美しい敷地はよく日曜学校のイースター・エッグ・ハントに利用された⁽⁵⁾。_{2020年現在、この建物はヨガ道場（Sivananda Yoga Vedanta Center LA）になっているもよう⁽¹¹⁾。}また1956年には夫妻の金婚式の記念として、教会に日曜学校の別館の建物を寄附した⁽⁵⁾。

1964年12月6日に死去、享年83。墓所はロサンゼルス市内のイングルウッド公園墓地（Inglewood Park Cemetery）にある。⁽¹⁰⁾

子孫

草柳は、1906年に⁽¹⁰⁾矢作の星崎賢太郞の長女・マツ子（Matsu Hoshizaki Kusayanagi 1887 - 1976⁽¹⁰⁾）と結婚した^(1)(2)(10)（時期不定としている文献もあるが⁽¹⁾⁽²⁾、マツコは1906年に渡米しており、結婚はその前後だったとみられている⁽⁷⁾）。夫妻の間には、八重子、トミコ、正子、君子、栄子、武男、愛子の1男6女があった^{(1)(2)(4)(10)}_{（(1)(2)は1男5女としているが、次女トミコが脱）}。また5人の孫（すべて女子）がいた⁽²⁾。

八重子（Yaeko K. Kusayanagi Nakamura 1909 - 2008⁽¹⁰⁾）は南カリフォルニア大学（USC）を卒業した⁽¹⁾。
トミコ（Tomiko Kusayanagi Uyeda 1911 - 1930^(7)(10)）
正子（Dr. Masako Kusayanagi Goto Miura 1914 - ）は1914年6月29日にパサデナで（7人きょうだいの3番目として）生まれた⁽⁴⁾⁽⁶⁾。1936年にUSCでB.A.（科学の学士号）を取得後、同大学の医学部に進み、1941年にM.D.（医学士）を取得、同年からロサンゼルス郡総合病院（LACGH）に皮膚科医として勤務した⁽⁴⁾⁽⁶⁾。1942年にジェームズ・ミツオ・ゴトー博士（Dr. James Mitsuo Goto）と結婚⁽⁴⁾⁽⁶⁾。同年からマンザナール収容所に医師として勤務し、1年ほどしてトパーズ（Topaz）収容所へ移され、同収容所の閉鎖まで（1945年まで）勤務した⁽⁴⁾⁽⁶⁾。
戦後は、1949年までLACGHに在籍し、3年間、リトルトーキョーにあった父・竹次郎が所有するビルで家族経営の診療所を開いていた⁽⁴⁾。1953年から1955年までロサンゼルス市学区で働き、1955年にオークランドの、同年から1981年に退職するまでフォート・オード（Fort Ord, Monterey）の米陸軍病院に公務員の医師として勤務した⁽⁴⁾。ゴトー博士とは離婚し、1956年にワトソンビル（Watsonville）の農産物供給の専門家だったミウラ・キヨシ（1994年に死去）と結婚した⁽⁴⁾。皮膚科医・梅毒専門医として専門誌への投稿がある⁽⁴⁾。
2019年当時も存命⁽⁴⁾。
君子（Kimiko Kusayanagi Hasegawa⁽⁷⁾）はジョニー・長谷川（Johnny Hasegawa）と結婚した⁽⁸⁾。
栄子（Sally Sakae Kusayanagi, 1921 - 2015）は、1943年8月にマンザナー収容所を出た後、アイオワ州デモイン（Des Moines, Iowa）のナショナル・スクリーン・コープ（National Screen (Service) Corp.）で交換手として働き、1944年5月28日に、収容所時代に知り合ったトーマス・モサフル・オカベ（Thomas Mosahur Okabe, 1919 - 2003）と結婚した⁽⁹⁾。
武男（George Takeo Kusayanagi 1923 - 1983⁽¹⁰⁾）
愛子（Irene Aiko Kusayanagi Kinoshita 1926 - 2011⁽¹⁰⁾）