加茂神社(かもじんじゃ)は、鴨宮にある神社(1)。2021年1月1日現在、神社本庁傘下の被包括宗教法人(1)

沿革

東鑑』の建久3年(1192)8月9日の条に、源頼朝が夫人の平産祈願のため、鶴岡八幡宮以下の相模国の神社・仏閣12社に神馬を奉納したうちの1社として、「賀茂柳下」の名がみえる(3)

また永禄年間(1558-1570)の『所領役帳』の御馬廻衆の中に、「賀茂宮」の人名と、その領地だった「賀茂宮郷」の地名がみえる(3)(4)

風土記稿』のとき、鴨宮村上新田村鎮守は村持ちの賀茂社だった(3)

1898年(明治31)、奥殿と拝殿を改築(5)

1911年(明治44)、下新田295・296番地にあった神明社を境内社として合祀(5)

1923年(大正12)、関東大震災で倒壊(5)。1924年(大正13)4月に再建された(5)

1950年(昭和25)に、鴨宮875番地(字稲荷森)にあった佐軍神を境内社とした(5)

1952年(昭和27)10月に宗教法人「加茂神社」となった(5)

1972年(昭和47)に奥殿と拝殿の屋根が銅板に葺替えられた(5)

神体

『風土記稿』のとき、賀茂社の神体は木像だった(3)

境内

『風土記稿』のとき、賀茂社には拝殿と幣殿があった(3)。また社地に周囲が1丈5尺余(約4.5m)の古い松の木があった(3)

神明社

『風土記稿』のとき、下新田村の鎮守だった村持ちの神明社(3)は、1911年(明治44)に加茂神社の境内社として合祀され、旧址は加茂神社の所有地となった(詳細は神明社旧址 (下新田)を参照)(5)

佐軍神

『風土記稿』のとき、鴨宮村にあった寿明院持ちの石神社(3)は、文明3年(1820)に鴨宮875番地(字稲荷森)にあった佐軍神もしくは鴨宮876番地にあった神社と寺院(5)とおそらく同じ神社で、1950年(昭和25)3月に加茂神社の境内に移された(詳細は石神社旧址 (鴨宮)を参照)(5)

神輿殿

1916(大正5)に社務所として新築され、1968年(昭和43)に改築されて宝物殿となった(5)。2000年当時は神輿の格納庫として使用されていた(5)

神輿は1954年(昭和29)4月に改造され、1995年(平成7)に修復された(5)

什物と建造時期

  • 水鉢 1897年(明治30)(5)
  • 狛犬一対 1919年(大正8)(5)
  • 鳥居 1928年(昭和3)11月、天皇即位記念として銅板張りで建立された(5)
  • 灯籠一対 1969年(昭和44)(5)
  • 手洗所 1972年(昭和47)(5)

年中行事

風土記稿』のとき、賀茂社の例祭は旧暦9月9日だった(3)

明治期に(新暦?)4月3日に改められた(5)

1952年(昭和27)に4月9日、1965年(昭和40)に4月3日、1979年(昭和54)に「4月の第1日曜日」に改められて2000年当時に至る(5)

(時期不定で)例祭では神輿の巡行と、夜、神楽殿での芝居の奉納が行われていた(5)。神楽殿は、某年台風により倒壊したまま再建されず、跡地に1972年(昭和47)12月に鴨宮公民館が建設された(5)。神輿の巡行は、戦後しばらく中断していたが、1973年(昭和48)に再開された(5)

月日 祭礼名
1/1 歳旦祭
4月第1日曜日 例祭
11/23 新嘗祭
12/31 大祓

資料:神奈川県神社庁(2)

参考資料

  1. 神奈川県ホーム > 教育・文化・スポーツ > 文化・芸術 > 宗教法人 > 宗教法人について > 神奈川県知事所轄の宗教法人 > 宗教法人名簿(令和3年1月1日現在) > その他1 宗教法人名簿(PDF:708KB)
  2. 神奈川県神社庁ウェブサイト>神社詳細>加茂神社、更新時期不明、2023年2月10日閲覧
  3. 風土記稿
  4. 佐脇栄智 校注『小田原衆所領役帳』東京堂出版、1998、24頁
  5. さんわ会25周年記念誌編集委員会『下府中地域 我が町の今と昔』さんわ会、2000、56-62頁

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