東泉院 入口東泉院(とうせんいん)、護国山は、久野にある曹洞宗寺院。本尊は正観音。大永元年(1521)、僧・兀山の開山。江戸時代には久野・総世寺の末寺だった。(1)(2)

沿革

開山

『風土記稿』によると、大永元年(1521)に僧・兀山が開基、開山は久野・総世寺7世・大休宗恵(永禄11年・1568没)と伝えられていた。『風土記稿』は、年暦から、兀山が開山で、大休宗恵は「法地開山」と推測している。(1)

  • 東泉院記」などの寺伝では大永元年(1521)に大休宗恵が開山としているが、『風土記稿』は、大休宗恵は1568年没のため、1521年開山とすると若すぎ感がある、と指摘している。

富仙秀岳

1888年(明治21)に富仙秀岳が寺院を復興、「詩禅一如」の教化に努め、青年指導や社会福祉などに功績があったという(8)

500周年

2021年11月6日に開創500年の式典と住職の交替の儀式「晋山式」が併せて行われた。前任の岸達志住職が引退して岸清志住職が就任した。(7)

境内

1970年当時、境内は600坪(約44.5m四方)、建物は本堂67坪(約14.9m四方)、庫裡65坪(約14.7m四方)(8)

本堂・庫裡

東泉院 本堂「東泉院記」には、本堂は延享2年(1745)、庫裡は享和3年(1803)の建築とある(3)。『全国寺院名鑑』には、本堂は寛延元年(1748)の建築とある(8)

その他

『風土記稿』によると、境内にはその他に、隠寮、稲荷・白山合社、弁天社があった(1)

石碑

境内に、細川石屋老師報恩碑、富仙秀岳和尚碑、中川宗渕老師句碑、中河与一文学碑、間中喜雄碑がある(3)一寸木亀之助の碑もある(2019年調査)

年中行事

坐禅会など

(1955年頃から?(4))月例の坐禅会・指月会(禅の読書会)、接心会、夏期大学、梅花講等を開催している(3)

2020年1月16日に、月例の坐禅会が開始から65年目に入ったとして、UMECOで岸達志住職の記念講演会が行われた。その際に、中学生の頃、夏に東泉院の坐禅会に参加したことがあった加藤憲一市長が挨拶をした。(4)

寺宝展

毎年11月3日(文化の日)に寺の墨跡・美術品等の什宝の展示会を開催し、一般に公開している(3)。2016年にも開催され、記事の中で展示品などが一部紹介されている(5)(6)

刊行物

『禅のみち』『菩提樹の蔭』などの刊行物がある(3)

寺紋

寺紋:庫裡入口の欄間彫刻に輪宝。敷物に両山紋(2019年調査)

リンク

参考資料

  1. 風土記稿
  2. 田代道彌「皇国地誌久野村誌(草稿本)の発見」『おだわら 歴史と文化』第13号、小田原市役所企画部市史編さん課、2000年3月、41-42頁
  3. 東泉院記(2019年当時、東泉院の山門脇に掲げてあった案内板)
  4. 加藤憲一東泉院坐禅会、斑鳩町長」facebook、2020年1月17日
  5. 貴重な寺宝を一挙公開 11月3日 久野・東泉院タウンニュース 小田原・箱根・湯河原・真鶴版、2016年10月29日号
  6. ひろし君「素晴らしい東泉院の秘宝展のご紹介」小田原市公式サイト、2016年12月20日
  7. 東泉院(小田原市久野)が開創五百年まちの情報紙ポスト、2021年12月17日
  8. 全日本仏教会寺院名鑑刊行会『〈改定版〉全国寺院名鑑 北海道/東北・関東編』同左、1970年3月(初版1969年3月)、p.421

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